第15節終了時点、9勝3分3敗・勝点30でJ3リーグ首位をキープするカターレ富山。天皇杯ではJ1に所属する京都サンガを破るなど、Jリーグの中で最も勢いのあるクラブの一つに数えられる。ここでは、F・マリノスから田川選手が育成型期限付き移籍するカターレ富山の強さの秘密を考えます。
守備力の改善
2022年シーズンを6位で終了した富山。得点数は、1位・いわきFCの72得点、2位・藤枝の58得点に次いで、鹿児島、今治、鳥取と並んで55得点を挙げて3位と検討した。
一方、失点数は最も少なかったいわきFCの23に対し、富山は48失点でリーグ13位と大きく水をあけられる形となった。
しかしながら、2023年シーズンは新加入組のFC大阪と奈良クラブの12失点、FC岐阜の13失点、福島の14失点に次いで、鹿児島・宮崎と並んで15失点でリーグ4番目の少なさと大きく改善されている。
その背景には、大畑隆也選手と今瀬淳也選手を中心とするディフェンスラインの意思疎通の改善はもちろんのこと、今シーズンF・マリノスから育成型期限付き移籍したGK田川知樹選手の活躍も見逃せない。
途中怪我でメンバーから外れることがあったが、スタメン起用された試合は8勝2分2敗で抜群な勝率をマーク。彼の最後尾からのリーダーシップも、フィールドプレイヤーに良い影響を与えていることがうかがえる。
攻撃力の底上げ
第15節終了時点、富山の得点数は26で、松本の27得点に次いで2番目の多さを誇っている。
中でも、2019年カターレ富山に完全移籍した高橋駿太選手の活躍がめざましく、これまでリーグ3位となる7ゴールをマーク。すでに昨年の2ゴールを大きく上回っている。
次いで、吉平翼選手がすでに昨年と並ぶ6ゴールを挙げてチームの勝利に貢献中。アルトゥール シルバ選手が4ゴールでチーム3位につける。
ちなみに、昨年8得点挙げてチームトップスコアラーとなった林堂眞選手だが、今シーズンはあまり出場機会に恵まれず今のところゴールを挙げられてはいない。
とは言え、高橋選手や吉平選手たちがそれをカバーして余りある活躍ぶりを示しており、さらに林堂選手が復活すれば更なるゴールラッシュが期待できそうだ。
ホームの圧倒的な勝率
今シーズンの富山はホームで圧倒的な強さを誇り、これまで6勝2分と負け知らずの成績を残している。
ホームでの勝利はチームの雰囲気を良好にし、駆けつけたサポーターにも大きな喜びを与えられる。そして、それらが相乗効果となってチームに最高の効果をもたらす。
さらに、チーム内にも良い競争ができ、それぞれの選手が危機感を持って戦うため戦力アップにもつながる。今の富山にはJ2昇格のための多くの条件が揃っていると言っても過言ではない。
長山一也氏のコーチ就任
これまで述べてきたチーム躍進の要因として、2023年にはカターレ富山トップチームコーチに就任した長山一也氏の存在を無視することはできない。
長山一也氏は2008〜2010年に富山の選手として活躍。中でも、Jリーグに加盟した2009年にはレギュラーに定着し、チーム最多の48試合に出場している。
現役引退後は、多くのJリーガーを輩出する法政大学サッカー部監督に就任。関東大学サッカー1部昇格、総理大臣杯優勝、全日本大学サッカー選手権優勝など数々の実績を残す。
昨年9月に就任した小田切道治監督とは現役時代に富山で共にプレーし、意思疎通も全く問題ないと思われる。富山に「勝つための精神」を徹底的に植え付けてくれることが期待できる。
ちなみに、カターレ富山の社長は、2001〜2007年にF・マリノスの代表取締役社長を務めた左伴繁雄氏が2021年から就任している。
J2昇格に邁進だ!
15節終了時点でJ3リーグ首位をキープするカターレ富山。
昨年の課題であった守備の安定が計られ、攻撃陣も好調なため攻守のバランスが抜群だ。そして、ホームで強いというのはサポーターにとって何より嬉しいこと。
この先シーズンは長く続くものの、今の好調を維持・向上できれば必ずJ2昇格が現実になる。選手やコーチ陣をはじめ、サポーターも含め夢に向けて一丸となって戦い続けることを願う。
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