接戦を制したのは宮市選手のスピードと勝利への執念〜【J1第17節】横浜F・マリノスvs柏レイソル戦観戦記

F・MARINOS

下位チーム相手とは言え難しい試合だった。しかしながら、最後は宮市選手の復帰後初ゴールなどが生まれF・マリノスの底力が柏を制して劇的な逆転勝ちをおさめることに成功した。ここでは、2023年6月10日(土)に日産スタジアムで行われたJ1第17節「横浜F・マリノスvs柏レイソル戦」プレビューを記す。

F・マリノスのスタメン

F・マリノスのスタメンは、ミッドウイークに行われた天皇杯2回戦から全員を入れ替え。逆転勝利した前節FC東京戦と同じメンバーでリーグ4連勝に挑む。

一方、柏は前節札幌戦から2人を入れ替え。土屋選手に代わりDF立田選手、フロート選手に代わりFWマテウス サヴィオ選手がスタメン入りした。

サブメンバーには、天皇杯で好セーブを連発したオビ選手のほか、古巣対決となる上島選手や復帰後初ゴールが期待される宮市選手などが控える。

試合開始前にはF・マリノスと柏の両チームに所属した柳想鐵さんの当時の映像が場内に映し出され、それぞれのサポーターが彼の活躍を偲んだ。

【前半】悪い流れを断ち切り2-1で折り返す

序盤から攻勢を強めるF・マリノス。4枚で守る柏のディフェンスラインの裏をエウベル選手が抜けるなどして、相手ゴール前へと迫りチャンスを作る。

一方、柏は4-4-2のフォーメーションを敷き、あまり前線からはプレッシャーをかけず、構えてサイドから崩したりロングボールで裏と取る作戦を敷く。

先に得点を挙げたのは、良い流れを作っていたF・マリノスだった。

13分 アンデルソン ロペス選手Goal!

ヤン マテウス選手のクロスを受けたエウベル選手が、ボックス内へとドリブルで侵入。

すると、エウベル選手が切り替えした際、マッチアップした立田選手に足をかけられ、ペナルティエリア内で倒されPKを獲得。

キッカーとなったアンデルソン ロペス選手が、相手GKの動きを見ながら冷静に決めてF・マリノスが先取点を挙げる。

良い試合の入りをして先制点までも獲得したF・マリノス。その勢いのまま2点・3点と得点を重ねることが期待できた。しかし、その後は自慢の攻撃力が封じ込まれ、徐々に柏のペースへと引き込まれていく。

35分には、マテウス サヴィオ選手のシュートがポストを叩くなど、ヒヤッとさせられる場面を与えてしまうことも。

そして、ついに柏に得点を与えてしまう。

40分 レイソルGoal

マテウス サヴィオ選手がアウトにかけた変則的クロスを、エドゥアド選手が思わずクリアミスしてオウンゴールに。柏に1-1の同点にされる。

柏ペースのまま前半を終了するかに思われたが、その悪い流れを断ち切るかの如くF・マリノスに追加点が生まれる。

41分 エウベル選手Goal!

エドゥアルド選手の正確なロングフィードを、極上トラップでゴール前に走り込んだエウベル選手が落ち着いて右足で流し込み、F・マリノスが2-1でリードして前半を折り返す。

このゴールを最も喜んだのは、アシストしたエドゥアルド選手だった。これにより、先ほどのオウンゴールが帳消しされたに等しいのだから。

【後半】ロスタイムに劇的2発のゴール

両チームとも後半最初からの選手交代は無し。

前半を良い流れで折り返したにもかかわらず、F・マリノスは後半早々柏にゴールを許してしまう。

46分 レイソルGoal

マテウス サヴィオ選手のサイドからの折り返しを一森選手が弾き返すと、ゴール正面の戸嶋選手に合わせられて2-2の同点とされる。

望むようなパフォーマンスができないF・マリノス。マスカット監督3名の選手を入れ替えて流れを引き込もうと試みる。

70分 F・マリノス選手交代

西村選手→マルコス選手、喜田選手→山根選手、畠中選手→上島選手

しかしながら、ゴールが生まれたのはまたもや柏だった。

73分 レイソルGoal

片山選手のアーリークロスに、先の60分に途中交代したフロート選手が頭で叩き込み2-3と逆転される。

79分 F・マリノス選手交代

ヤン マテウス選手→宮市選手、エウベル選手→水沼選手

F・マリノスは得点を奪うため、持ち前のスピードでチャンスを演出できる宮市選手と、正確なクロスでゴールに貢献できる水沼選手がピッチへ。

そして、またもやマスカット監督の采配が的中する。

87分、ドリブルを仕掛けた宮市選手が立田選手に倒され、立田選手は退場処分に。一方、数的優位となったF・マリノスは、慎重にボールを回して得点の機会をうかがう。

90+4分 アンデルソン ロペス選手Goal!

渡辺選手の鮮やかなヒールに反応した途中交代の水沼選手がゴール前にピンポイントクロスを上げると、アンデルソン ロペス選手が頭で合わせて、F・マリノスが3-3の同点に。

見事な連携から生まれた同点ゴールにより雰囲気は一変。逆転を望むサポーターの大声援に場内が包まれる。

すると、その大声援に後押しされるようにF・マリノスに逆転ゴールが生まれる。

90+7分 宮市選手Goal!

マルコス選手の折り返しから宮市選手が放ったシュートは、相手ディフェンスに当たるもコースが変わりゴールへと吸い込まれていった。

この宮市選手のゴールによりF・マリノスは逆転に成功し、4-3で柏を振り切りリーグ戦4連勝を達成した。まさに、宮市選手の執念がF・マリノスに勝利を呼び込んだと言えるだろう。

選手たちにF・マリノスの底力を見た!

接戦になることはある程度予想できたとは言え、これほどまでに下位に低迷する柏に苦しめられるとは誰が予想しただろう。

この試合を通し、観ている私たちは、F・マリノスがなかなかチャンスが作れずもどかしい気分になっていたのは確かだ。もちろん、井原監督率いる柏の選手たちの善戦も見逃せない。

しかしながら、後になって振り返ると、選手たちは焦ることなく逆転の機会を虎視眈々と狙っていたに違いない。

それは、これまであった幾つもの苦しい戦いで勝利できた事実が、選手たちにとって「諦めなければ何かが起こせる」という自信となり、さらに底力となって今回の逆転劇が巻き起こったと想像する。

まさしく、柳想鐵さんから「諦めない魂を受け継いだ」成果であり、チャンピオンであることに驕ることなく、チャレンジャー精神で戦って掴み取った勝利だ。

F・マリノスは柏に勝利したことで、暫定ではあるが首位でリーグ戦を折り返すこととなった。次のリーグ戦は、ルヴァンカップGS最終節を挟んでアウェイで広島との戦いを控える。

まずは、主力選手を中心にコンディションを整えてベストの状態で後半戦に臨むことが肝心だ。

そして、引き続きチャレンジャー精神を忘れることなく、目の前の一つひとつの試合に集中して勝ち切っていきたい。

MVPはロペス選手・宮市選手

この試合のMVPには、2得点を挙げたアンデルソン ロペス選手と、決勝ゴールをマークした宮市選手が選出。

アンデルソン ロペス選手は3試合連続2ゴールを挙げ、トータル13ゴールとしてゴールランキングトップに躍り出た。

一方、宮市選手復帰後初のゴール。しかも、相手選手を持ち前のスピードで退場に追い込み、さらに決勝ゴールをマークしてF・マリノスの勝利に大きく貢献した。

試合後のインタビューではうっすら目に涙を浮かべるなどして、自らの現役続行を後落としたサポーターに感謝の気持ちを表していた。

接戦?それとも大勝!?〜【J1第17節】横浜F・マリノスvs柏レイソル戦プレビュー
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