2月中旬にもかかわらず暖かい陽気に恵まれ、試合前には「民衆の歌」の生コーラスがスタジアム包むなど、当日は最高のサッカー日和でしたが、試合は盛り上がりに欠ける内容になってしまいました。ここでは、2025年2月15日（土）に日産スタジアムで行われたJ1第1節「横浜F・マリノスvsアルビレックス新潟」観戦記を記します。
目次
F・マリノスのスタメン
多くの選手がACLをフルに戦ったにもかかわらず、負傷退場した喜田選手を除く10名が中2日でスタメン起用されることに驚かされた。
なにしろ、我がクラブには他クラブに引けを取らない優秀な選手が数多く在籍するからだ。
新監督が前戦の勝利に味をしめて再び同じメンバーを並べたのか、はたまた他の選手に信頼感が感じられず先発から外したのかは知る由もない。
【前半】何も収穫がない時間
そのことが災いしたのか、キックオフ直後にもかかわらず明らかに選手たちの足取りは重いように感じられた。
戦前に相手新監督が語っていたように、新潟は前線からの圧力を強めてF・マリノスの攻撃を封じ込めることに躍起だ。
さらに新潟は両ウイングを高めに配置することで、永戸選手と井上選手はディフェンスラインへと押し込めれることになりF・マリノスは5バックを強いられる。
いや、「強いられた」のではなく、相手にボールを保持される際には、5-3-2のブロックを敷いて守備を固めることが約束事のようだ。
しかしながら、このシステムだとあまりにも後ろが重すぎて、攻めに転じる時のスピード感が全く感じらない。
永戸選手と植中選手とのコンビは、永戸選手とエウベル選手とのようにスムーズさが感じられず、井上選手とヤン選手とのコンビでは、井上選手のスピードばかりが際立ち、ヤン選手の持ち味がほぼ消されてしまっている。
残念ながら、効果的な形でシュートまで持ち込めるイメージを抱くことはほぼ皆無だ。
26分 太田選手（新潟）Goal（0-1）
それでも、無失点で乗り切るならまだしも、先制点を許してしまうのだから始末が悪い。
もちろん、橋本選手のクロスは正確無比であり、太田選手のトラップはあまりにも絶妙だったことは認めざるを得ない。
しかし、失点減を掲げるF・マリノスにとって、試合を優位に進めるためには得点を与えるのは許されなかった。
結局、前半シュート数は新潟6本に対して、F・マリノス0本とあきれるほどの内容であり、あまりにも攻守の切り替えがお粗末だったことをあらわしている。
【後半】システム変更が功を奏す
前半の内容を受けて、多少選手の入れえがあっても仕方ないと思われたがひとまず監督は動かない。
それでも、試合の流れが変えることができず早い時間で選手交代に踏み切る。
59分 ヤン選手→遠野選手
バックスタンドから見る限り、ヤン選手がピッチを引き上げる際に監督の横を通り過ぎるも健闘を讃えられることはなく、ベンチに腰掛けた後もしばし顔をバスタオルで覆いとても悔しそうな雰囲気を醸し出している。
シャドーで本来の力を発揮できず、本人もそのことを痛切に感じているようで、その姿はあまりにも痛々しい。
とは言え、ヤン選手の実力は多くのサポーターが承認済みであり、誰も彼を否定することなどあり得ない。
やはり、彼の本領が発揮できるのは大外からのドリブルだが、その役割は井上選手に託されているからやむを得ない。
ヤン選手だけでなく、新システムにフィットするにはもう少し時間が必要なようだ。
F・マリノスに転機が訪れたのは、試合も終盤に差し掛かる70分の3枚替え直後からだった。
70分 井上選手→宮市選手、永戸選手→鈴木選手、植中選手→天野選手
4バックにシステム変更した途端、これまでのぎこちなさが嘘のように、水を得た魚のごとく格段に選手たちの躍動感がアップする。
やはり、体に染み付いていることがスムーズにできるのは選手たちも同じのようだ。
中でも、天野選手のプレーぶりには目を引くものがあり、さまざまなシーンでチャンスメイクに徹していた。
F・マリノス同点のきっかけは、その天野選手が相手を切り替えして右足で上げたクロスから始まり、最後はペナルティエリア内で遠野選手が倒されPKを獲得している。
77分 ロペス選手Goal！（1-1）
PK職人ロペス選手は、相手GKにコースを読まれるも、キーパーが手を伸ばしても届かないゴール右隅へと蹴り込み同点とする。
さすがロペス選手だ。
その後もアクセル全開で攻撃を仕掛けるも、あと一歩及ばず試合は1-1のまま終了。
振り返る限り「勝ちこそできなかったものの、同点で乗り切れたのをヨシとするしかない」という内容だった。
同じ轍は踏まない
前期、キューウェル監督を迎えて攻撃力をアップ図ったが、成就することなく監督交代に至り、システムを戻すことを余儀なくされた。
今期、再び新監督を招聘して失点を減らす試みがなされているが、今のところ攻撃力不足に陥る状況を招いている。
たった2試合で判断するのはあまりにも酷だが、このままでは同じ轍を踏む予感を拭い去ることができない。
今回の試合で、システム変更後、劇的に選手の動きが改善されるのを目の当たりにしたから尚更そう感じてしまう。
私たちはシステム変更で失点が減り、昨年に勝るとも劣らない得点が挙げらるのを期待しているし、ホーランド監督も同じ意図で取り組んでいる。
しかし、ある程度試合消化した段階で得点力改善が見られなければ、監督には勇気ある判断が求められそうだ。
果たして、ホーランド監督にはそれができるだろうか、その前に3バックが機能できるのか。
サポーターとしては、しばらく様子見が続きそうである。
最後までご覧いただき本当にありがとうございます
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