多少スリッピーではあったが、台風後の影響を感じさせない最高のピッチ上で目まぐるしく得点が動く好ゲームが展開!最後はマルコス選手が執念のゴールを叩き込み、F・マリノスが勝点3を奪取した。ここでは、2023年6月3日(土)味の素スタジアムで行われたJ1第16節「FC東京vs横浜F・マリノス戦」レビューを記す。
目次
F・マリノスのスターティングメンバー
現在リーグ戦連勝中と好調のF・マリノスは、前節アビスパ福岡戦から1名の入れ替えにとどまる。
右SBには、出場停止明けの松原選手が上島選手に代わりスタメンに復帰。この試合では上島選手は控えに回った。あとはチームの躍進に貢献するお馴染みのメンバーだ。
ベンチメンバーには、上島選手のほか、U-20W杯を戦え終えて帰国した山根選手や、先日U-22日本代表に選出された藤田選手が名を連ねる。
もちろん、今シーズン仲川選手から背番号23を引き継ぎ、前節ホーム福岡戦で元気なプレーを披露した宮市選手もこの試合の出場機会をうかがう。
一方、FC東京のスタメンは、前節3-2で敗れたヴィッセル神戸戦から2名を入れ替え。右ワイドには、F・マリノスと古巣対戦となる仲川選手の名前を見ることができた。
【前半】先制点を奪うも流れは東京へ
キックオフ直後、瞬きするまもなくF・マリノスにいきなりゴールが生まれる。
1分 アンデルソン ロペス選手Gooooooooal!
松原選手とのワンツーで右サイドを抜け出したヤン マテウス選手が左足でクロスを上げると、ゴール前のアンデルソン ロペス選手がヘディングでコースを変えてゴール左へと流し込む。
その後も、追加点こそ奪えなかったもののF・マリノスが試合を支配。しかしながら、試合の流れは、10分頃から徐々に落ち着きを取り戻したFC東京へと傾き始める。
すると、中盤のボールカットからFC東京に同点のゴールを奪われてしまう。
34分 FC東京Goal
東京陣内でカットされたボールが青木選手から仲川選手に渡ると、仲川選手のクロスをディエゴ オリヴェイラ選手にボレーで決められ1-1の同点に。
44分 FC東京Goal
続く前半終了間際の44分には、渡邉選手の早めのクロスがエドゥアルド選手の頭上を超えると、今度はディエゴ オリヴェイラ選手にヘディングで決められ、前半のうちに2-1と逆転を許してしまう。
出足こそ試合を支配し先制点を奪えたものの、F・マリノスのシュート4本に対し、FC東京に再三に渡り中盤でボールを奪われて11本のシュートを放たれるなど、F・マリノスにとって前半は苦しい試合展開。今年のFC東京のホームでの強さを感じさせられた。
【後半】勝利の女神はF・マリノスに微笑む
F・マリノスの後半最初からの選手交代は無し。
一方、FC東京は、山根選手と一緒にU-20W杯を戦った松木選手が、小泉選手に代わってピッチに送り込まれる。
あえて良い流れにだったもかかわらず選手交代を試みるのはどうかと思われたが、後にこの交代が結果的に逆転を許すこととなる。(試合後の監督のコメントによると、小泉選手の膝の不調により急遽交代したとのこと)
47分、さらに攻勢を強めるFC東京は、CKを頭で合わせるもボールはクロスバー直撃。そのこぼれ球を仲川選手に直接シュートを放たれるが、一森選手がファインセーブでゴールを阻む。
早く同点に追いつきたいF・マリノスは、1点目に続きまたしてもこの選手のゴールが生まれる。
62分 アンデルソン ロペス選手Gooooooooal!
エドゥアルド選手の正確なクロスを、ディフェンスラインギリギリで相手選手と駆け引きしたアンデルソン ロペス選手が、今度は右足で合わせてF・マリノスが2-2の同点とする。
このゴールでトータル11点目となり、アンデルソン ロペス選手は大迫選手と並んで得点ランキングトップに躍り出た。
64分 F・マリノス選手交代
エドゥアルド選手→上島選手、西村選手→マルコス選手
このところ右SBでプレーすることが多い上島選手が、エドゥアルド選手に代わりCBの位置に。トップ下には、マルコス選手が西村選手に代わり入った。
69分には、後半から途中出場の松木選手がマルコス選手へのラフプレーにより、レッドカードで1発退場に。これによりF・マリノスが数的優位となる。
その後、数的不利となったFC東京は4-2-3のシステムでカウンターで応戦するも、F・マリノスは試合に勝ち切るため攻撃を加速。
ゴール裏で応援するF・マリノスサポーターも、逆転を信じて必死な声援を選手たちに贈る。
77分 F・マリノス選手交代
渡辺選手→藤田選手
81分 F・マリノス選手交代
エウベル選手→宮市選手、ヤン マテウス選手→水沼選手
サポーターの必死の応援が実り、ついにF・マリノスに逆転ゴールが生まれる。
89分 マルコス選手Gooooooooal!
左サイドからの宮市選手の折り返しを、右にいた水沼選手がセンタリング。マルコス選手が右足でトラップして押し込み、F・マリノスが逆転に成功。
FC東京はアダイウトン選手を投入し、持ち味であるスピードによりカウンターを仕掛けるも、上島選手がしっかりマークして得点を許さずこのまま試合終了。
F・マリノスが2-3でFC東京をを下してリーグ戦3連勝をマークした。
退場と選手層の厚さの違いが勝利を分けた
またもや、F・マリノスは途中出場選手の活躍により勝点3ゲットに成功した。
1点目と2点目のゴールは先発選手によるものたが、決勝ゴールは宮市選手・水沼選手・マルコス選手らの途中出場選手たちにより演出された。
同じく途中出場した上島選手の高い守備力が、アダイウトン選手の突破を許さなかったことも勝利できた要因の一つに挙げられるだろう。
藤田選手の的確な位置どりと攻撃参加や、宮市選手と長友選手の熱いマッチアップの見応え十分だった。
一方で、松木選手の一発退場が勝負を分けた大きな要因になったことは間違いない。
しかしながら、先日のG大阪戦で59分に松原選手の退場により、この試合のFC東京と同じく数的不利になったにもかかわらず、永戸選手の芸術的なFKなどでクリーンシートで勝ち切れた。
この事実から考えると、今節FC東京がF・マリノスに勝ちきれなかったのは、F・マリノスの王者としての底力がFC東京の力を上回っていたと言っても過言ではない。
新監督のレイソルと対戦
次節は、ミッドウイークの天皇杯を挟んでホームに柏レイソルを迎えての対戦だ。
ネルシーニョ前監督に代わり就任した井原新監督の采配に対し、F・マリノスがいかに持ち前の攻撃力を駆使してレイソルを圧倒できるかに注目が集まる。
今節F・マリノスはFC東京に勝利したことで勝点33となり、暫定ではあるが勝点でヴィッセル神戸と並ぶ形となった。是非とも次のレイソルにも勝利して、トップを走る神戸にプレッシャをかけ続けたい。
最後までご覧いただき本当にありがとうございます。
テルの試合に負けた時の悔しそうな顔と、F・マリノスサポーターに挨拶する優しげな笑顔が印象的でした。今度のホームでの対戦も楽しみです。
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