ホームにもかかわらず横浜FC相手にスコアレスドローだと!?
これではサポーターが納得できなのは無理もない。試合後に激しいブーイングが選手たちへと浴びせられた。
ここでは、2025年2月26日（水）に日産スタジアムで行われたJ1第3節「横浜F・マリノスvs横浜FC」観戦記を記します。
違いを見せろ
新しい顔が先発に名を連ねると、それだけで新鮮味溢れる。
この試合では、山根選手、鈴木選手、天野選手がリーグ戦初スタメンを果たした。
彼らは新たな風をピッチ上に吹かせたいだろうし、我々サポーターもこれまでとは一味も二味も違う内容を期待したい。
【前半】盾と矛
しかし、試合は「攻めるマリノスvs引いて守るFC」というこれまでのダービーと変わらぬ構図であり、腰が引けた相手を攻めあぐねる見せ場の少ない時間が過ぎる。
山根選手は明らかに数多く試合に絡み前線にボール供給をするが、マンツーマンディフェンスに立ち塞がれて効果的な仕事ができない。
それでも、17分のシーンでは相手守備を剥がすと一気にボールが前線へと運ばれ、最後は井上選手とのワンツーで抜け出した遠野選手が左足を振り抜くも僅かに枠を外れた。
鈴木選手は何度も体を張って突破を試みるけど、厚いディフェンスに阻まれゴールへの道筋が遠く、明らかに前節のパフォーマンスを上回れない。
硬直した試合では、天野選手の神出鬼没な動きや、トリッキーなパスだしなどで打開することを活路を見出したい。
だが、周りとの連携不足がたたり、試合を通して埋没する時間帯が多く、頼みのコーナーキックでも切れ味を欠いていた印象。
個人的には最も違いが見せられる選手と熱い想いで見守るが、期待が大きかった分結果に繋げられないのが残念。
試合後のインタビューでによると、試合直後に右足首を痛めたらしく、痛みの影響が本来のパフォーマンス発揮に悪影響を及ぼしたようだ。
【後半】得点が遠い
一方、キニョーネス選手と渡邊選手のコンビを中心とするディフェンスは安定感抜群で、相手のフィニッシュ制度の悪さにも助けられ得点を奪われる気配さえしない。
特に、キニョーネス選手は、連続出場が続くにもかかわらず全くの疲れ知らずだ。
今季出場した試合全てにおいて、危機管理能力とそれに対応する動き出しの速さ、対人での強さは高いレベルを保つ。
彼を褒めると同時に、おそらくF・マリノスへと招き入れた西野さんの眼力を褒め称えたい。
攻めるも崩すに至らない中、この日存在感を示したひとりが途中出場のエウベル選手ではないだろうか。
得意のドリブルで突破を図ろうとしたり、正確なパスでサイドチェンジを行ったり、遠目からのシュートで打開を図ろうとしたりして単調な流れにアクセントをつけていた。
今季はまだ先発での出番がなく、出場時間も圧倒的に縮小されている。
守備を重視するホーランド監督にとって、ディフェンスに長けていないエウベル選手は2番手3番手に降格せざるを得ないのだろうか。
試合後のインタビューで、ホーランド監督をリスペクトする発言の一方、「正直、フラストレーションはたまっています」
さらに「練習からやるべきことをやって、監督から試合に出るべきメンバーに選んでもらえるように準備するだけです」と述べている。
彼自身、取り組むことは明確なはず。したがって、今後のリニューアルされたエウベル選手を大いに期待したい。
同じく、途中出場の植中選手も、審判の残念な判定がありながらも積極的な動きが目を引いた。
新たな攻撃パターンを構築したい
今季は明らかに攻撃に迫力を欠く。
確かに、短期間にもかかわらず守備力は大いに改善された。
F・マリノスの弱点であった両サイドバックの裏を狙われ、危機的状況を招くことはほぼ皆無だ。
一方、攻撃力はいかがなものだろうか。
両サイドバックが高い位置を取らず、偽サイドバック的な攻撃も影を潜めた。
昨年までの観るものをワクワクさせるリスキーな攻撃は影を潜め、守備を重視するあまり「オーソドックス」な展開に終始する。
このままでは、いつまで経過しても得点力アップは見込めない。
ならば、新たな攻撃パターンを構築せねばならない。
先ほどのインタビューで、天野選手が述べている。
「攻撃は去年までの攻撃力で問題なかったし、守備はいまの監督のほうが整備されています。それをミックスできれば次のレベルに行けると思います」
ひとまず、この言葉に期待したい。
試合後、これまでの「優しいF・マリノスサポーター」の姿とは異なり、激しいブーイングが選手たちに浴びせかけられた。
フォーローしようのないあまりの激しさに、多少戸惑いさえ感じるほどだった。
無理もない、J1とJ2を行き来するもう一方の横浜を語るクラブに無得点で終わるのだから。
しかし、その激しさは選手たちへの愛情と期待の裏返しだ。選手たちもそのことを十分理解しているはず。
頼むぞ、圧倒的な存在感を示せるF・マリノスの誕生を！
最後までご覧いただき本当にありがとうございます
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