ACLではダントツの強さを発揮する横浜F・マリノス。一方、リーグ戦は苦戦続きで、まだ勝点3を手にできていません。果たして、F・マリノスは本当のらしさを取り戻すことができるのでしょうか。まだ4節が終了したばかりですが、これまでのデータを紐解いてみます。
失点数↓得点数も↓

第4節終了時点のF・マリノスの失点数は「3」と少なく、今季課題の失点数減はホーランド監督の指導により成し遂げられつつあります。
一方、得点数といえば4試合終了時点で「2」にとどまり、残念ながら昨季までのF・マリノスらしさが失われてしまいました。
それもそのはず、あまりにも失点を意識するあまり、守備時には3バックから5バックへと形を変えるため後方の選手層が厚くなりすぎ、攻撃の際の推進力が上がらず良い形でフィニッシュに至りません。
「あちらを立てればこちらが立たず」と言ったところでしょうか。
ポステコグルー監督の時には「いけいけ、どんどん」のサッカースタイルでしたから、今季は物足らなくて仕方ないと感じるサポーターも多いのではないでしょうか。
そこで、第2節アウェイ広島戦の途中から4バックにすると、得点こそ奪えなかったものF・マリノスらしさが全開します。
それにしても、キャンプ中はずっと3バックを練習していた印象でしたから、あれほど簡単にシステムを変更しようとは、ホーランド監督の采配には少しばかり驚きでした。
まあ、元々「可変的」とは言われていましたからアリと言えばアリかもしれません。ホーランド監督の柔軟性というか、状況判断の素早さを垣間見また気がします。
しかし、その後も4バックで戦うも、未だトンネルを抜け出せる予感は感じられません。
実際のデータでは「1試合平均パス数」、「平均ボール支配率」はいずれも2位、「1試合平均走行距離」は3位に位置し、一見、試合を優位に進めているかのようなではあります。
ところが、2019年・2022年の優勝時にいずれも1位だった「1試合平均シュート数」は今季16位、シュートに至るまでの手段である「1試合平均スプリント数」は16位、決定機を演出できる「1試合平均スルーパス数」14位と低迷しています。
ボールは持てるものの、むしろ持たされていたり、パスの出しどころに苦慮したりして、スペクタクルな内容とは程遠いサッカースタイルを強いられていることが否めません。

柏の変貌

柏が開幕4試合負けなしで首位に躍り出ていますね。
特に、チームを支えてきたマテウス サヴィオ選手が浦和に移籍したにもかかわらず、まだ4試合終了時点とはいえこの成績を収めていることにとても驚きを感じます。
第4節終了時点のデータでは、「1試合平均パス数(1位)」、「平均ボール支配率(1位)」「1試合平均走行距離(2位)」でいずれもF・マリノスを上回ります。
早くも、リカルド監督のやりたいサッカーが浸透し、昨季までとは全く異なるチームスタイルに変貌を遂げています。
(ちなみに、昨年は1試合平均パス数15位、平均ボール支配率14位、1試合平均走行距離6位ですからその差は歴然)
中でも、アンカーを務める熊坂選手が、「デュエル勝利」4位、「走行距離」3位、「インターセプト数」1位でチームを支えています。
攻撃面では、小屋松選手や浦和から移籍の小泉選手、垣田選手らが牽引し、サヴィオ選手の抜けた大きな穴を埋めているようです。

ある程度時間が必要!?

横浜F・マリノスと柏レイソル。
先述した「1試合平均パス数」、「平均ボール支配率」「1試合平均走行距離」ではほぼ同じ位置にありながら、これほどまでリーグ順位に開きがあるのはなぜでしょう。
特に、攻撃面で圧倒的に異なるのが「1試合平均スプリント数」。F・マリノス「16位」に対し柏「6位」と大きな開きがあります。
(「強いF・マリノス」の時には、あれほどみんな頑張って走っていたのに……)
また、「1試合平均スルーパス数」は、F・マリノス「14位」に対し柏「2位」と、こちらも大きく水を開けられています。
(優勝した2019年・2022年はいずれの1位であり、効果的なスルーパスがガンガン供給されていたはず……)
さらに、1試合平均シュート数こそF・マリノス「9.0」に対し柏「10.3」とそれほど違いませんが、シュート決定率ではF・マリノス「5.6」に対し柏「14.6」とかなり差が広がります。
(攻撃の醍醐味と言えば、相手を脅かしチームに勝利をもたらす見事なシュート。今季はあまりにもしょぼすぎる……)
両者の順位が異なる要因を、これだけのデータだけで決めつけることはできません。
ただし、これらのデータからは、F・マリノスにはまだまだ手を加えられることは多くあり、伸び代は十分過ぎるほど秘めていると感じざるを得ません。
どちらも新体制ではありますが、このようにリーグでの現在地は大きく異なるF・マリノスと柏レイソル。
しかし、両クラブを同じ目線で見るには、過密日程を強いられるF・マリノスにとってあまりにも酷と言わざるを得ません。
それでも、過密日程は強いクラブの宿命であり、チームを支えるサポーターとしては、たとえ厳しい日程でも内容が伴うF・マリノスらしい勝利を要求したくなりますよね。
ならば仕方ない、F・マリノスのことが好きならもう少し辛抱しませんか。
経験と実績が豊富なホーランド監督ならきっとやってくれるはず。
さらに、F・マリノスには優秀な選手が数多く揃っていますから、彼らが一つにまとまり実力を発揮できれば強くならないわけがありません。
ひとまず「果報は寝て待て」ではなく、「果報は戦いながら獲得しましょう」


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