シーズン半ばにしてFC東京監督のアルベル氏が突然の解任。後任には、清水や山形で監督を務めたピーター クラモフスキー氏が就任しました。ここでは、窮地に陥るFC東京をクラモフスキー氏がいかに変えることができるかを勝手に考えてみました。
目次
クラモフスキー氏の日本での実績
かつてF・マリノスでヘッドコーチなどを務めたピーター クラフモフスキー氏がFC東京の監督に就任することとなった。まずは、彼の日本での実績を振り返ってみる。
アンジェと二人三脚で攻撃サッカーを確立させる
2018年、アンジェ ポステコグルー氏が横浜F・マリノス監督に就任した際、クラモフスキー氏は監督の右腕としてヘッドコーチを務めた。
そして、これまでの堅守速攻から、ハイライン・ハイプレスによる攻撃的スタイルを取り入れようと試みる。
しかしながら、総得点は56で、川崎の57点に次いで清水と並びリーグ2位となるも、ディフェンスラインの裏の広大なスペースを突かれるなどして失点を繰り返し、リーグワースト3位の総失点56を記録。
残留争いにも巻き込まれ、最終的には12勝5分17敗と大きく負け越し12位にとどまるが、観るものを魅了するスペクタクルなサッカーはサポーターの心を鷲掴みにする。
2019年になると、徐々にチーム内に攻撃的サッカースタイルが浸透。併せて、チアゴ選手と畠中選手のCBコンビを中心に守備力も安定し、得点数68・失点数38・得失点+30と大幅に改善。ポステコグルー・クラモフスキー体制わずか2年目にして、念願のJ1リーグ優勝を飾った。
2020年清水エスパルス監督就任
2019年、クラモフスキー氏はヘッドコーチとしてF・マリノスの優勝に貢献すると、その実績を買われて翌年の2020年には清水エスパルス監督に就任する。
彼自身はU-17オーストラリア代表監督の経験はあったが、クラブチームの監督としては今回の清水が初めてだった。
当時F・マリノスがと3人キャプテン制を採用したように、清水にも同じく3人のキャプテンを置くなどして、F・マリノスのサポーターからは「パクリ」と揶揄されたことも。
クラモフスキー氏を監督に招聘した清水は、F・マリノスのような攻撃サッカーを目指すも25節時点で3勝5分17敗と大きく負け越し、最終節を待つことなくクラモフスキー監督は契約解除となった。
2021年モンテディオ山形監督就任
2021年、第9節で途中解任となった石丸監督の後釜として、モンテディオ山形監督に就任。途中7連勝するなどクラモフスキー采配は的中したが、後半は成績が伸び悩み20勝8分14敗・勝点68で前年と同じく7位になっている。
2022年、クラモフスキー体制2年目は怪我人などにより順位が大きく変動。最終的には17勝13分12敗・勝点64で6位となり、J1参入プレーオフ圏内に躍進。
しかしながら1回戦で岡山に勝利するも、2回戦で熊本に引き分けJ1昇格はならなかった。
2023年、クラモフスキー体制3年目。山田康太選手や半田陸選手といった主力選手の移籍が響いたのか、中々勝利に恵まれず順位は低迷。これを受けて4月2日付で契約解除が発表された。
FC東京の戦いぶり
2022年、FC東京は長谷川監督に代わって新潟からアルベル監督を招聘することで、これまでの堅守速攻型からポゼッションサッカーへと転換を図ろうと試みる。
結果的に、ボールポゼッション率は46.1%から54.2%へと大幅に上昇。リーグ最終成績は14勝7分13敗で6位となり、前年の9位から順位を3つ挙げる形となった。
アルベル体制2年目となる2023年には、F・マリノスから仲川選手が移籍するなどさらなる進化が期待された。
しかしながら、17節終了時点で5勝4分8敗・勝点19で12位と振るわず、直近の3試合で神戸・F・マリノス・G大阪に3連敗したことが引き金となり、6月14日付でアルベル監督の解任が発表された。
クラモフスキー監督はFC東京を救える!?
個人的には、かなりハードルが高いと感じる。
なぜなら、クラモフスキー氏は、これまで監督としてそれほど成果を残していない。せいぜい、山形監督時代にJ1参入プレーオフ圏内に入れたくらいで、不運はあったにせよ翌年には成績不振で山形監督を解任されている。
また、この時点でFC東京がクラモフスキー氏を監督にすると言うことは、自身のチームがバラバラになりかけているにもかかわらず、さらなる攻撃サッカーに突き進んでいくことを意味する。
シーズン最初からならまだしも、キャンプを経ることなくシーズン途中から攻撃サッカーを浸透させることは、F・マリノスがポステコグルー初年度で苦労したことを考えると、あまりにもリスクが大きく感じられてならない。
ひとまず、チーム状態を安定させられる人物の方が相応しかったのではないだろうか。
FC東京が復活するには?
他サポである私が申し上げるにはあまりも僭越ではあるが、テルのことが好きであり、F・マリノスにゆかりのあるクラモフスキー氏のことが気になる立場としてあえて考えてみる。
辛抱することが肝心
これまで多くのクラブが失敗してきたように、チームスタイルを変えるのは決して容易いことではない。F・マリノスが経験したように、少なくとも1〜2年かそう以上の長いスパンが必要だ。
幸い、2023年シーズンは降格するクラブが1つだけのため、たとえ思うような結果が出なかったとしてもすぐに監督を解雇することをせず、ある程度形ができるまで辛抱することが肝心だろう。
サポーター全員で後押しする
攻撃サッカーはとても魅力的なサッカースタイルだ。失点することも多いかもしれないが、その分多くの得点が入りエキサイティングな試合展開が期待できる。
サポーターとしては、目先の勝敗に気を取られることなく、魅力的なサッカースタイルが完成していく過程を楽しみながら、皆で監督や選手たちを絶対的に後押しすることが欠かせない。
それができれば、たとえ当初は勝敗に恵まれなかったとしても、フロントが監督らをすぐに解雇することができなくなることが期待できる。(どうしようもない監督なら別)
選手の補強が急務
FC東京には優れた選手が多くいるが、やはり攻撃サッカーに精通した選手を補強することが急務だろう。できれば、過去にポステコグルー氏やクラモフスキー監督と接点があった選手ならなお良い。
たとえば、山形時代にはチームの中心選手であったにもかかわらず、現在は柏でスタメン出場の機会がグッと減ってしまった山田康太選手などはどうだろうか。
クラモフスキー監督からの信頼も絶大だろうから、すぐにチームにフィットできることが期待できる。その他にも考えられる選手はいるが、すでに水面下ではチームが動いているに違いない。
攻撃サッカーがJリーグを進歩させる!
FC東京サポにとっては余計なお世話だと思われるだろうが、クラモフスキー氏のFC東京監督就任について考えてみた。
クラモフスキー監督は、F・マリノスに超攻撃サッカーを根付かせたポステコグルー監督とも多くの時間を共有していることから、FC東京がこれまでのスタイルを変えられることは決して不可能ではないと信じる。
かつてのJリーグでは、守備的なクラブが席捲し続けた時期があった。ポステコグルーが監督に就任する前は、F・マリノスもそれらクラブの一つだった。
それらのクラブの関係者やサポーターにとっては、自分たちのクラブが強いことは喜ばしいことであることに間違いない。しかし、側からすると、守備的サッカーはエキサイティングさに欠けていてあまり面白いとは言えない。
世界のリーグを見ても、人気あるリーグの頂点にいるのはいずれも攻撃的スタイルを信条とするクラブばかり。
そう言うことに思いを馳せると、やはりJリーグが世界規模へと発展していくためには攻撃サッカーを展開するクラブがリーグを引っ張っていくことが不可欠だ。
ぜひ、FC東京にあってもクラモフスキー監督を中心に攻撃スタイルを完成させ、さらにJリーグを面白くしていくことを期待する。
最後までご覧いただき本当にありがとうございます。FC東京サポーターの皆様、いろいろ勝手言って申し訳ございません。ぜひ、強いFC東京が実現するよう心から願っています。
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