鈴木選手の加入により、左ウイングバックのポジション争いが熾烈だ。これまで左に君臨してきた永戸選手でさえ、ポジションを奪われなねない。それでも、切磋琢磨し合いながら技術を磨き、お互いを高め合っている
新しい風を吹かせろ
「F・マリノスらしくないな〜」
新体制発表会での鈴木冬一選手に対する第一印象だ。
これまでのF・マリノスといえば、朴訥(ぼくとつ)な喋りとはにかむ表情が印象的な選手が多いと感じる。
しかしながら、新加入した鈴木選手は確実にこれまでとは大きく異なる印象を持つ。
口髭を蓄えた風貌は荒武者のようであり、一方で笑顔はとてつもなく人懐っこい。
さらに、お笑い系に勝るとも劣らない受け答えで、サポーターの心を一瞬にして鷲掴みする。
物怖じしない性格は本来彼に備わっていたものか、あるいは、厳しい海外でのサッカー生活で身に付けたものなのかは知る由もない。
そんな鈴木選手への私からの要望は、いい意味でF・マリノスに染まることなく、自分らしさを存分に発揮してチームに新風を吹き込んでもらうこと。
決して、今のチームカラーが嫌いなのではない、むしろ、どのクラブの雰囲気よりも勝るとも劣らないと自負する。
それでも、彼がスパイスのようにクラブに交わることで他の選手への刺激となり、素材の味をさらに引き出すことを大いに期待したい。
迎え撃つのはF・マリノス随一の人気選手
そんな鈴木選手のライバルとして左サイドに君臨するのが、F・マリノス随一の人気者・永戸勝也選手。
物静かな性格と端正な顔立ちで、特に女性F・マリノスサポーターの人気を一新に集める。
しかし、永戸選手の魅力はそれだけではない。
これまで多くのJリーガーを輩出する「法政大学体育会サッカー部」で身に付けた高い技術と、負けん気の強さが大きな強みだ。
特に、左足によるキック精度はトップクラスであり、仙台でプレーした2019年には、その年に優勝した横浜F・マリノスに所属する仲川選手のアシスト数「9」を上回り、10アシストしてランキングトップを記録するほどである。
F・マリノスでは、主に左サイドバックを主戦場としてチームの勝利に貢献。他のライバルを寄せ付けないほどの活躍ぶりを発揮している。
しかしながら、今季F・マリノスは3-4-3にシステム変更する方向であり、それに伴い、永戸選手は左ウイングバックへと従来より守備位置がやや高めになる。
強いF・マリノスのために
先述した鈴木選手は、今季永戸選手が担当するであろう左ウイングバックに慣れ親しんでいる。
したがって、永戸選手にとっては、鈴木選手の存在が大きな刺激になっているのは間違いなく、鈴木選手の出来いかんによっては、永戸選手さえもレビュラーの座を失いかねない。
それでも、練習の際にはコミュニケーションを取りながら、お互い足りない部分を補ったり、共有したりして自らの技術向上に繋げているようだ。
「強いF・マリノス」が復活するには、チームが現状に止まっていては成し遂げることは難しく、力のある選手同士が切磋琢磨して、常にレベルアップし続けることが不可欠である。
今季の永戸選手と鈴木選手の関係はまさにそれに当てはまり、2名のレフティーがそれぞれを刺激し続けることで栄冠への扉を開くことできるであろう。
そして、我々サポーターはワクワクした気持ちと羨望の眼差しで二人の活躍を見守りたい。
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