カテゴリー下との対戦とはいえ、楽に勝てる試合などひとつもありませんね。
劇的ではありますが、またしても苦しみながら長崎に勝利して準々決勝に駒を進めることができました。
ここでは、2024年8月21日(水)にトランスコスモススタジアム長崎で行われた天皇杯R16「V・ファーレン長崎vs横浜F・マリノス」観戦記を記します。
目次
F・マリノスのスタメン
まずは、小池龍太選手の復帰を讃えたいですね。
長いリハビリの末、ようやく今年4月7日のA神戸戦に復帰を果たした小池龍太選手でしたが、その後は、Hガンバ大阪戦と湘南戦の出場にとどまり再び試合から離れてしまいます。
今回の復帰は、出場時間こそ短かったものの、彼にとって新たなる一歩となりましたね。
一方、チームにとっても今後の過密日程を乗り切る上で、彼の存在は大きな戦力になること間違いありません。
CBの一角には、川崎戦でJ1デビューのジャン選手が、ニューカッスル戦以来の先発で上島選手とコンビを組みます。
そして、長崎とは古巣対決となる植中選手と加藤聖選手が共にスタメン入りです。
特に、植中選手には長崎への恩返しとなるゴールが期待されます。
【前半】圧倒的に攻めるも得点奪えず
ボール支配率、ゴール決定機などあらゆる数字で圧倒的に長崎を上回っていました。
しかし、植中選手や山根選手のシュートは、元F・マリノスGK原田選手に採算に渡り防がれてしまいます。
中でも、植中選手は二度ほどの決定機があり、どちらか一本でも決められていたなら試合の流れを大きく引き寄せられたはずでした。
久々の凱旋で知らず知らずに力みが生じたのかもしれませんね。
それでも、植中選手は決して怯むことはなく、むしろ、勇ましさに溢れる表情がこの後のゴールを予感させます。
一方、長崎は激しく攻め立てるF・マリノスに臆することなく、後方からのビルドアップを主体とする姿勢を貫いていました。
大幅にターンオーバーしているにもかかわらず、自分たちのサッカーに専念できる長崎の強さの一旦が垣間見れた気がします。
結局、圧倒的に攻めるも決定力を欠くF・マリノスに対し、攻撃面で力は負けするもゴールを割らせない長崎という構図により、0-0で前半を折り返します。
【後半】劇的ドラマは最後に訪れる
前半に得点を奪っておきたかったF・マリノスにとって、仕切り直しとなる後半がスタートです。
46分 小池龍太→加藤蓮
後半最初からは、小池龍太選手に代わり加藤蓮選手が右SBに入ります。
試合後の監督コメントによれば、小池選手の途中交代はあくまでも最初からのプランであり、アクシデントなどによるものではないとのことです。
まずは、出場できたことを素直に喜びたいのと、怪我などによる交代ではないことにホッとしました。
後半になっても相変わらずペースを握るのはF・マリノスでした。
しかし、天野選手や榊原選手のシュートはいずれもゴールが割れず、見た目の印象とは異なり、徐々に流れが長崎へと傾き始めるような嫌な雰囲気が漂い始めます。
すると、その予感を裏付けるかのように長崎に先制点を奪われることに。
58分 ファンマ選手(長崎)Goal!
あっという間の出来事でした。
カウンターからの中村選手によるアーリークロスをファンマ選手にダイレクトで撃ち抜かれ、1-0と長崎に先制を許します。
これには、さすがの飯倉選手もなす術がありませんでした。
59分 水沼→井上、小池裕→宮市
その直後、両ウイングをそれぞれ井上選手と宮市選手に交代。
64分 榊原選手→喜田選手
さらにその5分後、ボランチの一角を榊原選手に代えて喜田選手を投入します。
すると、これまで数多くのシュートを放つも得点できなかったF・マリノスにとって、念願のファーストゴールが生まれます。
67分 天野選手Goal!
右からの加藤蓮選手の折り返しを長崎の選手が中途半端にクリアすると、そのボールを天野選手が左足で確実に流し込み、F・マリノスが1-1の同点とします。
このゴールで流れを掴んで一気呵成に試合を決めたかったF・マリノス。
しかし、その想いとは裏腹に、加藤蓮選手のシュートはまたしても原田選手にセーブされます。
83分 天野選手→西村選手
同点ゴールの天野選手に代わり、川崎戦で見る者の度肝を抜くミドルを叩き込んだ西村選手がピッチインします。
90分終了間際には、宮市選手のヘディングはクロスバーを叩いて追加点を奪うことができません。
そして、またしても延長戦に突入かと思われたロスタイム、長崎に痛恨の追加点を与えてしまいます。
90+2分 ジェズス選手(長崎)Goal!
先日のプレビューでも紹介しましたが、やはり長崎のブラジル人勢は攻撃に長けていますね。
先制点のファンマ選手に続き、勝ち越し点を挙げられたジェズス選手も素晴らしい能力の持ち主でした。
巧妙なトラップでいとも簡単に加藤聖選手交わされると、次の瞬間右足を振り抜かれてネットを揺らされてしまいます。
土壇場で2-1とリードを許したことで、今年のF・マリノスの天皇杯はジ・エンドかと思われました。
しかし、最後まで諦めなかった2名の漢がドラマを演じてくれました。
90+8分 西村選手Goal!
加藤蓮選手の右からの折り返しを、今度は途中出場の西村選手が決めてF・マリノスがまたも土壇場で2-2の同点に追いつきます。
そして、最後はこの漢が試合を締め括ります。
90+10分 植中選手Goal!
西村選手とのコンビで相手からボールを奪った植中選手が、西村選手の優しすぎるラストパスを確実に左足で決めてF・マリノスが2-3と勝ち越しに成功です!
植中選手のシュートはコースが限られていたため、決して簡単なゴールではありません。
それでも、最後は「俺が決める」という、植中選手の熱い思いにより生まれた見事すぎるゴールでした。
まるで、前半のノーゴールは、この劇的な幕切れの伏線だったかのようです。
長崎への熱い想い
試合後のインタビューでは、かつて所属した長崎への熱い想いを語った植中選手。
恩返し弾をゲットできた喜びと共に、長崎へのリスペクトの気持ちも忘れていませんでしたね。
観ている私たちにとっても、この植中選手の言葉は清々しく感じられ、長崎がJ1昇格を果たした際には再び対戦できることがとても楽しみになりました。
同じ攻撃サッカーを志すF・マリノスのサポーターとして、長崎のJ1昇格を心から後押ししたいと思います。
一方、またしてもF・マリノスは苦しみながらも準々決勝進出を手にしました。
次は、R16でJ1鳥栖を破った山口のとの対戦が控えます。
またも難しい相手となりそうですが、今回の劇的勝利の勢いのまま頂点まで駆け上がれることを願うばかりです。
最後までご覧いただき本当にありがとうござます
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