2022年10月25日、ケヴィン・マスカット監督が2023年も引き続きマリノスで指揮を執ることがクラブから発表されました。この一報により、安堵で胸を撫で下ろしたマリノスサポーターも多くいるのではないでしょうか。ここでは、ケヴィン・マスカットのこれまでの経歴や、マリノスでの采配ぶりを振り返り、改めて彼の魅力を再確認していきます。
目次
選手時代は8つのクラブでプレー
ケヴィン・マスカット。1973年8月3日生まれ。
マリノスのHPでは、「オーストラリア」と国籍が記されているが、他にはイングランドとマルタの国籍を取得していると言う情報もある。
1989年オーストラリアでデビュー
現在は横浜F・マリノスの監督をつとめるマスカット氏だが、選手キャリアは、1989年、サンシャイン・ジョージ・クロス(オーストラリア)というクラブからスタート。
1991-1992シーズンは、ハイデベルク・ユナイテッド(オーストラリア)で18試合に出場。
続く1992-1993シーズンには、同じオーストラリアのサウス・メルボルンに移籍し、1996年までの4シーズンを過ごした。
1996年イングランドに渡る
イングランドへ渡ったマスカット氏は、当時2部のクリスタル・パレスに移籍。チームの主力として活躍し、1部昇格に貢献した。
1997年には、ウォルバーハンプトンに移籍して5シーズンプレイ。
その後、あのセルティックFCが所属するスコットランドリーグのレンジャーズで1年。再びイングランドに戻り、2003年からミルウォールで2シーズン過ごして主将としても活躍した。
2005年シーズンには、母国オーストラリアのメルボルン・ビクトリーで6シーズンプレイして現役を引退した。
オーストラリア代表経験の持ち主
マスカット氏は、オーストラリア代表としても大いに活躍している。
1991年、U-20代表で9試合出場。翌年の1992年にはU-23代表に選出され15試合に出場。
U-23時代にはアトランタオリンピックに出場したものの、残念ながらオーストラリア代表は予選敗退となっている。
1994年、A代表に選出。2006年までの間にAマッチ46試合に出場し、ディフェンダーでありながら10得点をマークしている。
なお、2001年FIFAコンフェデレーションカップでは、強い雨が降りしきる横浜国際競技場(日産スタジアム)において、準決勝でオーストラリア代表選手として日本代表と対戦している。
メルボルン・ビクトリーから指導者としてスタート
2009年、メルボルン・ビクトリーのアシスタントコーチに選手兼務として就任。
2012年には、マリノスを優勝に導いた「ボス」ことアンジェ・ポステコグルー氏が監督に就任すると、マスカット氏はボスの元でコーチ人生を過ごす。
2013年、ボスがオーストラリア代表に就任したことにより、マスカット氏はメルボルン・ビクトリーの監督に昇格。その後、2019年までの6年間の長期に渡り指揮を執った。
その間、レギュラーシーズン2回、ファイナルシリーズ1回、FFAカップ1回獲得という輝かしい功績を残していることを忘れてはならない。
しかし、2020年にはベルギーのシントトロイデンの監督に就任したが、思うような結果が出せずに半年ほどで解任されてします。
2021年7月横浜F・マリノス監督就任
横浜F・マリノスは、2018年に前任のポステコグルー氏が監督に就任した際には、これまで比較的守備的な戦術を一変させた。
高めのディフェンスラインと「偽SB」と言われる独特のポジショニングで、前線から相手にプレッシャをかけ続け、常にゲームの主導権を握る超攻撃的戦術に変更。
当初は結果こそ出せなかったものの、試合をこなす毎に超攻撃的戦術がチームに浸透し出して、2019年には就任2年目にもかかわらず2004年以来のリーグ優勝にチームを導いた。
そして、2021年7月18日、このアンジェ・ポステコグルー監督の後任として、マスカット氏の横浜F・マリノス監督就任がクラブから発表された。
マリノスを「強いマリノス」に変貌させ、惜しまれつつスコットランドに渡ったボスの後任として、「果たしてどのような采配をするのか」。マリノスサポーターの注目がマスカット氏に集められたことは言うまでもない。
マスカットは智将それとも闘将?
メルボルン・ビクトリー時代、ボスの下でコーチとして働いていたこともあってか、マスカット氏はボスがマリノスに浸透させた超攻撃サッカーを踏襲。
むしろ、これまでの超攻撃的スタイルのマリノスに、マスカット氏なりの味付けをプラスさせ、より成熟したサッカーを展開しつつある。
そして、その甲斐もあり、2021年8月、2022年5月、2022年7月、2022年9月と4度のJリーグ月間最優秀監督を受賞している。
当初は、熱くなりやすい激しい性格の持ち主で、アグレッシブでハードなプレイスタイルが持ち味と言われていたため、監督としてのスタイルも「闘将」をイメージしていた方も多くいるのではないでしょうか。
しかし、柔軟かつ的確な采配は「智将」そのものと言わざるを得ない。
例えば、不調なマルコスの代わりに西村をトップ下に据えたり、若手の山根をいきなり先発に起用したりするなど、周りをアッと言わせるような起用法で結果に結びつけている。
マリノスの行方はマスカット監督の采配にかかる
2023年のマリノスの監督は、既にマスカット氏に決定した。
次には、今活躍する選手がどれほどマリノスに残り、不足するポジションにどのような選手が補強できるかが気になる。
とは言え、マリノスの行方は、マスカット監督の采配ぶりにかかっていると言っても過言ではない。
2023年についても、どのような見事な采配や、驚くような選手起用でチームを勝利に導くのか、マスカット監督への期待は膨らむばかりだ。
最後までお読みいただき本当にありがとうございます。
よろしければ次回もまたお付き合いください。
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