2戦トータル5-1で上海海港を下した横浜F・マリノス。サウジアラビアで開催されるファイナルステージ進出を決め、「昨年の忘れ物」を取りに行く足掛かりを掴むことができました。
ここでは、2025年3月11日(火)に横浜国際総合競技場で行われたACLエリート ラウンド16 2ndレグ「横浜F・マリノスvs上海海港戦」観戦記を記します
目次
変更は宮市選手のみ
F・マリノスのスタメンは、アウェイ上海戦からは1名の変更にとどまり、宮市選手が右サイドバックにて出場。
リーグステージ上海海港先以来、2度目の同ポジションでの先発となった。
前回は突然の起用にもかかわらず、自らの役割を忠実にこなし切った宮市選手。
果たして、この試合では彼の持ち味である「突破力」で攻撃の起点となれるのか楽しみだ。
あと、喜田選手が帰ってきたのが何より心強い。彼なしでF・マリノスは成り立たないよね。
サウジ行きを引き寄せる先制点であったが…
開始直後の出来事だった。
激しいプレスで先取点奪取を狙う上海に対し、F・マリノスは受け身に立つことなく堂々の応戦。
前線4人の見事な連携から、サウジ行きを引き寄せる大事な先取点を獲得する。
今季初には、相手攻撃の際に5バックでベッタリと引いて守り、攻撃までの道筋があまりにも遠すぎたのが幻であったかのような変貌ぶりだ。
2分 遠野選手Goal!
ロペス選手の相手GKへのプレス、植中選手の相手DFへのプレス、連動されたプレスでボールの出しどころを限定。
こぼれ球をすかさず山根選手がアプローチして植中選手へ預けると、左を駆け上がる遠野選手へ正確無比なラストパス。
最後は、素早いドリブルで仕掛けた遠野選手が確実に仕留めて先制点の誕生、「いっちょ上がり」だ。
しかし、この後がいただけない。
先取できたことで気が緩んだのか、明らかに選手の動きは精彩を欠き、選手間の距離は間延びして「コンパクト」からは程遠い陣形が続く。
そのため、ゴールキックの際には朴選手がビルドアップを回避せざるを得ない。
何度も選手たちを前線に押し上げてロングキックを試みることで、強制的に間延びした陣形をコンパクトに保たせた。
朴選手が日頃から口にする「チームを勝たせたい」という意思は、このプレーでも十分裏打ちされていると感じる。
「間延びした時間」の中でもロペス選手が追加点を奪えたのは朗報だが、短時間で目まぐるしく得点を奪い合った。
29分 ロペス選手Goal!
中盤でボール奪取したジャン選手が前線へと持ち上がり、ロペス選手へラストパス。
昨年アウェイ磐田戦でのゴールを彷彿とさせるチップキックでF・マリノスに2点目をもたらした。
35分 上海Goal
CKからレオナルド選手に頭で合わされ失点。
44分 ヤン選手Goal!
この日のジャン選手は、4得点中3得点に絡む大活躍。
チーム3得点目では、左サイドを駆け上がり中央のロペス選手に折り返すと、ロペス選手は右サイドのヤン選手へラストパス。
最後はヤン選手が得意の位置から左足で流し込み、F・マリノスが3-1とリードを広げる。
さらに、後半には彼のシュートからチャンスを掴み4得点目を挙げるが、思わぬ形でジャン選手にアクシデント発生。
【後半】ロペス選手の2得点目で仕上げ完成
後半最初からの選手交代はなし。
58分 ロペス選手Goal!
ロペス選手が2得点目をゲットしたのは、58分のコーナーキックからの流れだった。
ヤン選手によるコーナーキックのクリアボールを、ジャン選手が強烈なミドルシュートを放つもポストに嫌われる。
そのこぼれ球をウォルシュ選手がシュートするもロペス選手の足元へ。
すかさず、ロペス選手が反転から左足を振り抜き、ダメ押しの一打で試合を決定づけた。
その後、得点のきっかけとなるミドルを放ったジャン選手は、しばらくプレーを続けるもやがてピッチに座り込み続行不可能に。
結局、自らの足では歩けず担架で運ばれピッチを後にする。
試合後のインタビューでは「シュートを打ったときにすべての力を込めたので、ひざを痛めてしまいました」と。
これまで多大なる貢献を果たしていただけに、大きな怪我でないことを祈るばかりだ。
その後は、前がかりになる上海に対しカウンターを仕掛けるF・マリノスという構図が続いたが、それぞれオフサイドなどになるなど、お互い追加点が奪えず4-1のまま試合終了。
F・マリノスがトータルスコア5-1で勝ち上がり、見事ファイナルステージの切符を手にした。
アタッキングフットボール再来!?
大量得点で試合を締め括ったF・マリノス。まるで、アタッキングフットボール再来かのような得点力を発揮。
これまでは、守備を重視するあまり中々得点が挙げられない試合が続いたが、ようやくF・マリノスらしい攻撃の仕方が芽吹きつつある予感だ。
前回の試合では守備に徹することが多い宮市選手だったが、ホーランド監督のお許しが出たのか、この試合では積極的に前線へと顔を出し攻撃参加を試みた。
もしこのポジションを継続するなら、さらに熟度が進むことで新たなる宮市選手の出現の期待が高まる。
そして、この間ずっとではあるが、植中選手の成長ぶりには目を見張るものがあり、この試合でも守備に攻撃にと八面六臂(はちめんろっぴ)の活躍。
あれほど惜しみなくプレスをかけ続け、ピッチを走り回り、攻撃の起点になったり得点をマークしたりするなら、監督が使い続けたくなるのも十分納得できる。
また、相変わらずジャン選手には攻守にわたり助けられる。
アクシデントで途中交代したのは残念であり、大事に至らないことを祈るばかりだが、もししばらく離脱したとしても、ひとまずは喜田選手の復帰により後は補えるだろう。
そのほか、遠野選手が移籍後初ゴールをマークできたり、ロペス選手が複数得点を挙げられたことを機会に今後の得点力アップも大きに期待できる。
とはいえ、ここまではACLでの出来事。
ひとまずは、ACLとは異なり「相手を研究し尽くすJクラブ」との対戦で勝利を上げ続けることが求められる。
必ずや、次のG大阪戦をそのきっかけづくりとしたい。

最後までご覧いただき本当にありがとうございます
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