目次
高みを目指してチャレンジする…
小池龍太、1995年8月29日東京都八王子市出身。5歳の時に、当時5つ上の兄の影響でサッカーを始める。このように、兄弟をきっかけにサッカーに親しむJリーガーは少なくない。小池もその中の一人だ。
最初の挫折
小学生時代、ゴールする楽しさを身を持って知ることでよりサッカーが好きになり、もっと高いレベルでのプレーを望み東京ヴェルディを受験。
しかし、小学4年生と5年生で2年連続受験するも、いずれも最終試験で不合格。マリノスのセレクションに至っては、結果を聞くことさえも怖くてそのまま帰宅してしまう。
小池は自らの力不足を知り挫折感に打ちひしがれたが、彼の持ち味でもある「不屈のチャレンジ精神」は、この時の苦い経験をバネにして芽生えていった。
挫折乗り越え高いレベルの入口へ
高いレベルでのプレーをあきらめかけていた小池だが、母の力添えもあって、東京都三鷹市にある横河武蔵野FC(現:東京武蔵野ユナイテッドFC)のセレクションにチャレンジすることに。
一抹の不安はあったものの、小池は過去の挫折を乗り越え4度目のチャレンジで無事合格を手にした。そして、念願のハイレベルなサッカーを体験したり、すばらしいコーチや仲間と出会えたりしてサッカーの楽しさを再認識する。
【2008年】JFAアカデミー福島入校
2008年、新たなステップへと旅立つ。
小池は狭き門をくぐり抜け、プロサッカー選手養成を目的としてJFAが設立した「JFAアカデミー福島」のセレクションに見事合格。これにより、プロになる夢の実現に1歩近づける形となる。
そして、中学3年生になると、監督の提案でこれまでの攻撃的MFからSBへとコンバートすることに。まさに、今後の小池の運命を左右した出来事だった。
この時の監督の提案がもし無ければ、今のようにJリーグで活躍する小池の姿は見れなかったかも知れない。
東日本大震災を乗り越え新たな境地へ
中学卒業間近の2011年3月11日、三陸沖を震源とする「東日本大震災」が発生。東北地方を中心に多大なる被害が生じたのは記憶に新しい。
その震災の影響によりJFAアカデミーは福島での活動が不可能となり、小池を含む選手たちは、しばらくサッカーが出来ない混沌とした日々を過ごす。
小池はこの不安な時期を経験したことで、「世の中に活力となるニュースを届けられる人間になりたい」という想いを認識して、これまで以上にプロサッカー選手になる夢を強いものする。
すると、震災から約1ヶ月後、 JFAアカデミーは福島から静岡に移して活動再開。高校3年生の時には副キャプテンとしてプレミアリーグに参戦するなど、充実した1年間を過ごした。
先が見えない不安
高校3年生の夏頃になると、すべての選手たちがその先の進路の決断に迫られる。
小池はプロサッカー選手になる夢を叶えるため、Jリーグのチーム練習に参加したりしてプロの感覚を肌で感じようと努めていた。
しかし、思う様に進路が決まらない。練習参加したヴァンフォーレ甲府からも不合格の連絡が届く。
そして、最後に小池が決断したのが、その当時地域リーグからJFLに昇格したばかりのレノファ山口の練習参加だ。
これまで練習参加したJ1やJ2のチームのように、レノファ山口は決して恵まれた環境ではない。
しかし「プロサッカー選手としてお金を稼がなくても、お金を払い応援してくれる方々の前でサッカーをするということは、プロとして生きることだ。」と言い聞かせ、ラストチャンスを掴むため全力でプレーした。
【2014年】JFL・レノファ山口加入
小池の数日間の練習ぶりが認められ、2014年シーズンのレノファ山口の加入が内定した。
加入が内定すれば、給料がもらえて少しばかり贅沢できたり、サッカーだけに専念できたりする環境が待っていると想像しがちだ。
しかし、小池の場合アマチュア契約のため、契約書に書かれていた額はなんと「0円」。そのため、午前中に練習して、午後には仕事に出かける2重生活を送ることに。
しかし、そんな恵まれない環境でも小池の決意は決して揺るぐことがない。むしろ、不自由な環境を楽しむかのように心は先を見据えていた。
JFL開幕戦は怪我により出場できなかったものの、第3節ホーム「FCマルヤス岡崎戦」に先発フル出場。
この試合を含め、サッカー人生初年度の2014年は、全26試合中14試合に出場するなどしてレギュラーの位置を獲得し、翌年のレノファ山口J3昇格に大きく貢献した。
2015年 J3昇格からJ2昇格へ
レノファ山口は、チームやサポーター、地元スポンサーなどの力が結集して、JFL昇格1年目にもかかわらず2015年J3昇格を果たす。
小池自身もレノファ山口から契約延長のオファーが提示され、0円契約からお金がもらえる新たな契約に更新された。
2015年、小池は全39試合中30試合に出場。初ゴールもマークした。
運命の一戦を制す
中でも、2015年11月23日の最終節「ガイナーレ鳥取戦」は、レノファ山口にとっても小池にとっても忘れられない試合となる。
当時優勝争いをしていたレノファ山口と町田ゼルビアは、勝点を同じくして首位を争っていた。
そして、それぞれが勝点で相手を上回れば、J3優勝とJ2昇格を一度に手にできる運命の最終節を迎える。
先に試合を終えた町田は、同点により勝点1を積み上げ暫定首位に。
一方の山口は、90分を過ぎたにもかかわらず1-2で敗戦濃厚。しかし、絶体絶命の状況下、90分+6分に小池のアシストにより山口が1点を奪取し、2-2で引き分けて山口も勝点1を加える。
これにより最終的に山口と町田は勝点で並んだが、得失点差で山口が上回りJ3チャンピオンとJ2昇格をものにした。
2016年 念願のプロ契約を結ぶ
J2昇格を果たした山口から、晴れてプロ契約を結ぶオファーが小池に提示された。
それでも、小池は念願の夢が叶った出来事に決して慢心することなく、むしろこれからが勝負だと気を引き締めJ2の舞台に臨む。
2016年シーズンは全42試合に出場し、その内スタメン41試合、3ゴールをマークして完全に山口の主力選手の座を獲得。
中でも、5月15日のC大阪戦では4-2で勝利し、自身も2ゴールして存在感をアピールした。
【2017年】 J1・柏レイソルでレギュラーを獲得
2016年9月、小池にJ1・柏レイソルからのオファーが届く。そして、その年の11月22日、柏への完全移籍が実現した。
JFL時代、小池は「4年でJ1に行きたい」と公言していたが、まさにその言葉通り毎年カテゴリーをアップさせてJ1の舞台へとたどり着いた。
柏での初年度、当初はカップ戦を中心に出場していたが、そこで結果を残したことで、第4節ベガルタ仙台戦以降はレギュラーとしてリーグ戦を主戦場とすることに。
最終的に小池は32試合に出場し、チームは4位でシーズンを終えてACL出場権を獲得した。
2年目にあたる2018年にも、1年目と同じく32試合に出場。しかし、チーム成績は17位と振るわずJ2降格となってしまう。
そして、3年目となる2019年、8月にベルギーのロケレンに移籍するまでの期間は21試合に出場した。
【2019年】ベルギー2部・ロケレン完全移籍
2018年8月、いよいよ日本から海外移籍へと旅立つ。クラブはベルギー2部のスポルティング・ロケレン。
移籍したその年、小池自身は27試合に出場して2ゴールを挙げた。しかしながら、チームの経営状況が悪化し裁判所から破産宣告を受けてしまう。そして、小池をはじめとする選手たちには満足に給料が支払われない状況に。
結局チームは倒産することとなり、小池は移籍を決意。海外チャレンジはわずか1シーズンで終了する結果となった。
【2020年5月】横浜F・マリノス完全移籍
その後、小池は引き続き海外でプレーすることを視野に入れつつ、さまざまなクラブとコンタクトした。
しかし、コロナ禍で先行き不透明な状況が続いていたため、ひとまず海外でのプレーを断念してJリーグ復帰を決断。複数のJリーグクラブとコンタクトを取る中、横浜F・マリノスとの契約を選択した。
小池がマリノスを選んだ背景には、一つ目としてマリノスがいち早く熱心に声をかけてくれたことが挙げられる。そして2つ目に天野純の存在を忘れることはできない。
ロケレン移籍前にマリノスでプレーしていた天野の言葉は、他の誰の言葉よりも小池の心を動かした。そして、再び天野とマリノスでプレーしたい気持ちが湧き上がりマリノスと契約する流れとなる。
ご存知の通り、今のマリノスの躍進は小池の活躍なくしては語ることはできない。
2020年は21試合に出場し3ゴール、続く2021年には31試合に出場して4ゴールをマークしている。
そして2022年に至っても、引き続き小池の活躍には目を見張るものがある。本来の右SBに加え、左SBやボランチまでこなして存在感をアピールしている。
さらに、2022年7月に開催されたE-1選手権には日本代表に初選出。JFAアカデミー出身者が日本代表選手が選出されたのは小池が初めてとのこと。まさに、小池は前人未到の快挙を成し遂げたのだ。
これからも幾多の困難を乗り越え栄冠を掴み続けろ!
小池のこれまでの活躍ぶりや人となりを紹介しました。
時には「苦労人」と称されるほどさまざまな困難を一つずつ乗り越えて、小池は自らの夢を実現させてきました。
どのような状況に置かれても彼の姿勢や考え方は常に前向きで、むしろ困難さえも楽しんでいるように感じられます。だからこそ、小池は厳しいサッカー界で活躍し続けらるのだと痛感させられました。
これかも、数々の困難をモノともせず栄冠を掴み続けることを期待しています。
なお、今回の記事を作成するにあたり、小池自身が手掛けた「note」を参考にさせていただきました。
既にお読みの方もいらっしゃると思いますが、まだの方があればぜひ読んでみてください。
こちらの記事もおすすめです
↓↓↓↓↓
最後までお読みいただき本当にありがとうございます。
次回もお付き合いいただければ幸いです。
コメント