私の中では、横浜FCとの対戦はあまりダービーには値しないと感じる。同じ地域を共にする同士の対戦のため、ダービーであることに間違いはないが、何故か気持ちの盛り上がりが不十分だ。
ここでは、2025年2月26日(土)に日産スタジアムで行われるJ1第3節「横浜F・マリノスvs横浜FC戦」プレビューを記します。
本当の横浜ダービーとは
冷や水を浴びせたいのではない。
横浜フリューゲルス時代にはあれほど横浜ダービーが待ち遠しかったのに、なぜか横浜FCとでは当時より気持ちの盛り上がりに欠ける。
過去を紐解くと、4勝1分3勝でわずかながらF・マリノスがリードするなど、対戦成績は拮抗する。
相手にとって不足はない。
しかし、ダービー特有の興奮を感じられないのは何故だろうか。
大阪対決が大いに盛り上がるのは、それぞれが実力あるクラブであり、互いをリスペクトし合うからだ。
かつては、横浜フリューゲルスも天皇杯を獲得したり、Jリーグでマリノスと優勝争いをしたりする強豪クラブの一つだった。
よって、横浜を本拠地とするクラブとして互いに認め合った。
一方、横浜FCは、J1とJ2を行ったり来たりするなど、過去の実績があまりにも乏しすぎる。
横浜FCを揶揄するつもりも毛頭ないが、F・マリノスとの実力や実績の差はこれまでをみる限り歴然だ。
やがて、横浜FCがJ1を席巻するほどの実力と成績を兼ね備えたなら、ダービーに相応しい相手だと認識できるかもしれない。

広島との共通点
しかし、横浜FCとて侮れる相手ではない。
前節苦戦を強いられた広島と横浜FCには、いくつかの共通点がある。
広島はスキッペ体制4年目となり、監督が目指すサッカーがかなり浸透している。
一方、横浜FCも四方田監督就任4年目を迎え、チーム成熟度は相当増しているに違いない。
また、昨季広島がJ1トップの得点を叩き出したのに対し、横浜FCもリーグ4位と検討。
総失点数に至っては、広島はリーグ15番目に対し、横浜FCはリーグ最小失点でシーズンを終えている。
平均ボール支配率も広島の49.5%に対し、横浜FCは51.1%とそれほど相違ない。
リーグカテゴリーこそ違えど、似通う点は少なくない。
今季のシステムを見てみよう。
それぞれがリーグ戦2試合を消化し、採用するフォーメーションは3-4-2-1でこちらも一緒。
成績は、勝敗は広島2勝0敗、3得点1失点と好調なスタート。
横浜FCは1勝1敗、1得点1失点と昇格組みの中では後塵を排する。
とは言え、第2節終了時点で我がF・マリノスよりは順位が上位だ。

連敗は許されない
前節広島に苦渋を飲まされたF・マリノス。
新体制ながら、優勝候補筆頭相手に堂々の戦いぶりを披露してくれた。
しかしながら、敗戦は敗戦であり、次節こそは勝点3獲得が必須だ。連敗はしたくない。
先述のように、次節横浜FCも採用するシステムは広島と同じ3-4-2-1。
広島相手に引けを取らぬ戦いができたことで、同じシステムの横浜FCにも自信を持って戦えるのではないだろうか。
また、次節日産スタジアムで戦えることもF・マリノスにとって大きなアドバンテージとなる。
しかし、油断は禁物。
私が好きな本の中の「行動経済学が最強の学問である」に、『ホットハンド効果』というものが説明されている。
ホットハンド効果とはバスケットボールに由来する言葉で、「成果をあげうまくいっている人をがいたら『次もできるに違いない』と自分も周りも思ってしまう。
つまり、これまでの対戦では、お互いがホームで勝利しているため、次節も「F・マリノスホームだからきっと勝てる」と思い込みがちになるということ。
ところが、ホットハンド効果は認知のクセの一つでしかなく、F・マリノスが勝利できる根拠にはならない。
先述したように、F・マリノスは新体制で戦術浸透度は低く、一方の横浜FCは監督4年目で高いクラブ成熟度を誇る。
サポーターとしては過去の実績に惑わされることなく、しっかりピッチ上の選手たちをサポートして今季初勝利を飾りたい。

最後までご覧いただき本当にありがとうございます


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