チーム内に不協和音が生じるのは、サポーターにとってとても悲しい出来事だ。今回のロペス選手のクラブへの批判は決して耳障りが良いものではない。しかし、F・マリノスを愛し、タイトルに執着する彼なら、このたび不平を口にしてもある意味理解できないこともない。
ロペス選手に同情の余地あり
浦和戦後、ロペス選手がクラブを痛烈批判した。
「4カ月、何も変わらない。監督が解任されても同じ戦術。前線のブラジル人を同時に使うこともなかった。このままサウジアラビアに行ったら恥をかく。リーグ戦も降格してしまう」
実際に表情を読み取ったり、語気を感じたりしてしながら彼の言葉に耳を傾けたのではいので、字面だけからその本意を理解するのは難しい。
それでも、彼の言葉選びはさておき、もしタイトルに執着するロペス選手の立場に立てば当然を口にしたと言える。

極上なオファーもF・マリノス残留を決意
これまで、ロペス選手は数々のオファーにも目もくれなかった。
2023年夏にはサウジから巨額のオファーを受けるも拒否。2024年夏にも中東から注目を浴びたのは記憶に新しい。
2024年オフには、母国ブラジル1部ボタフォゴからのオファー提示にもF・マリノス残留を決意する。
もし、F・マリノスへの想いが中途半端であるなら、このような「美味しい話」を蹴ることなどできない。
これらの決断からは、仲間とのリーグタイトル奪取と、昨年成し遂げられなかったACLE優勝への並々ならぬ決意が感じられる。

それでも事態は思わぬ方向へ
しかし、今季就任のホーランド監督が守備重視の戦術を志向しすぎたことで、最終ラインと前線との距離がかけ離れてしまい、前線には効果的なパスがほとんど供給されない。
後半になると選手たちの動きが一気に減速したり、疲労による怪我で離脱させたりするなど、一定の選手を使い続けたことによる弊害も露呈した。
チームは得点力不足に陥り、ロペス選手自身もわずか1ゴールにとどまっていている。
現状を憂い、なおかつ、F・マリノスに対する熱い想いを踏みにじられたと感じたなら、思わず批判を口走ったとしても十分理解できる。
結果で示したい
その後、ロペス選手はお詫びのメッセージをサポーターに向けて発信した。
これにより騒動は治ったかのようだが、直後にまたも移籍の噂が噴出し、一部のサポーターからはロペス不要論などが囁かれ、以前釈然としないまままだ。
ならば、ひとまずはあらゆる雑念を振りはらい、チーム一丸でACLEで優勝して「強いF・マリノス」を取り戻すことに集中したい。
タイトル獲得により、再びバラバラになった選手たちがひとつとなり、進むべき方向へ躊躇なく邁進できると確信する。
特に、ロペス選手にはゴールを量産し、再び「チームにロペスあり」を証明してもらおうじゃないか。
出場機会が減少しつつあるエウベル選手についても、このシリーズでは存分に存在感をアピールすべきだ。
近頃では植中選手が台頭したり、遠野選手がレギュラーの一角に入り込むなど、先発争いは熾烈を極める。
さまざまな選手が己の力を発揮し合うことでタイトル獲得が現実となる、間違いない。

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