どちらに転んでもおかしくない試合でした。
むしろ、後半終了間際に失点した際には「早くも今年の天皇杯が終わった」と腹を括るほどでした。
それでも、最後まで諦めないF・マリノスは、ロスタイムに井上選手が起死回生のゴールを演出。
延長戦でもお互い得点が奪えずPK戦までもつれ込むと、最後は5名きっちり決めたF・マリノスが3回戦進出を決めます。
まさに、天皇杯の怖さを目の当たりにさせられた試合でした。
ここでは、2024年6月12日(水)に岐阜メモリアルセンター長良川競技場で行われた天皇杯2回戦「横浜F・マリノスvsFC岐阜観戦記を記します。
F・マリノスのスタメン
3日後の町田戦を見据え、キューウェル監督はほぼ主力メンバーを温存してきましたが、決して見劣りする印象はありませんでしたね。
なぜなら、スタメンの多くはすでに実績を積んでいる選手ばかりで、連携さえ整えられれば必ず得点に結び付けられると思われたからです。
むしろ、山村選手がアンカーに起用されたり、吉尾選手や植田選手が今季初のメンバー入りしたりして、多くの方達がワクワクした気分で試合開始を待ち望んだのではないでしょうか。
難しくなるのは覚悟してたが…
しかしながら、いざ蓋を開けてみると、F・マリノスの試合の入りは決して良くはありませんでしたね。
逆に、中3日で臨む岐阜は、前節からほぼ選手を入れ替えたにもかかわらず、F・マリノスよりも圧倒的に形が整えられていました。
ボールを保持する時間こそF・マリノスには劣るものの、決定機は岐阜の方に軍配が上がっていたと言わざるを得ません。
それでも、時間の経過と共に、F・マリノスがボールを握る時間が増えはじめると、特に、吉尾選手がボールに絡む機会が増えてくるのが感じられました。
しかし、何度も突破のチャレンジを試みますが、同じ右サイドの加藤聖選手や、インサイドハーフとの連携が乏しく相手を崩し切るまでには至りません。
後半、吉尾選手が放つシュートがポストを叩く場面があり、もしそれがネットを揺らしていたなら彼にとって大きなアピールになったのですが……。
F・マリノスでプレーし続けるのなら、吉尾選手にはもっとチームの勝利に貢献できるプレーを期待したいですね。
2018年、F・マリノスに復帰した仲川選手が、当初は思うように試合に出られず苦しんでいたのを思い出します。
しかし、彼はほんのわずかな機会をモノにし、レギュラーの座を獲得してMVPの座へと上り詰めていきました。
そんな仲川選手とはプレースタイルが異なりますが、かつて町田で10アシスト10ゴールを記録した吉尾選手。
彼の実績と実力を持ってすれば、新たなシンデレラストーリーを歩んでも何ら不思議ではありません。
植田選手が新風を吹き込む
一方、F・マリノス復帰後初のピッチに立った植田選手の躍動する姿が印象的でした。
おそらく、初めてプレーできた嬉しさで無我夢中だったのではないでしょうか。
頻繁にボールに触れたり、コーナーキックを蹴ったりして、自分の持ち味を積極的に発揮しようとしていました。
できれば、もう少し長い時間プレーさせてあげたかったですね。
同じ下部組織出身の榊原選手が才能を開花しつつあるように、植田選手にもF・マリノスに新たな風を吹き込むことを期待します。
再びリーグ戦に照準を合わせる
6月15日(土)、首位を走る町田との一戦を控えます。
リーグ優勝を狙うなら、F・マリノスにとって勝点3獲得が必須なのは間違いありません。
天皇杯2回戦では主力組は温存され、それなりに休養も十分でしょうから、次の試合には万全の体制で臨めるでしょう。
今回ゴール井上選手や植中選手がゴールを挙げられたことで、少なからずチームの底上げもできたはずです。
吉尾選手や植田選手が今季初めてピッチに立てたのも、F・マリノスにとって大きな財産です。
一癖も二癖もある相手ですが、存分にアタッキングフットボールを展開して町田を粉砕したですね。
最後までご覧いただき本当にありがとうございます
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